
ネットショップの配送にかかる送料を少しでも安くしたいと困っていませんか?配送料にかかるコストを下げることは、ネットショップの成約率(顧客が商品を購入する確率)を高くするためには欠かせません。
ネットショップを利用するユーザーのほとんどは「ネットショップで買い物するなら、送料無料がいい」と考えています。例えば、アマゾンジャパンでは2016年より一定条件下の送料をユーザーが負担することになりましたが、2,000円以上の買い物をすれば送料無料になりますし、送料がかかる場合でもせいぜい350円です。また、書籍の購入やプライム会員は送料が無料です。
運送料が社会的に高くなり、送料無料を実施して利益を出すネットショップ運営は難しくなりつつあります。ですので、送料を安くする工夫を避けることはできません。送料を安くするための運送業者や梱包資材の選び方を確認していきましょう。
送料無料キャンペーンの効果は?送料無しはよく売れる!
「送料無料のキャンペーンを開催すると売上アップの効果はあるのか」という疑問を持つネットショップ運営者は少なくありません。ヤフー知恵袋などで送料無料の効果について質問する人もいるほどです。
ですが、送料は有料よりも無料の方が購買率は高くなります。ユーザーが負担する送料は商品の単価やサイズごとの配送料に依存するので、300円以下の場合もあれば1,500円以上する場合もあります。ケースバイケースになるため、送料無料キャンペーンと成約率の関係を正確に検証することは困難です。
送料無料キャンペーンの具体的効果
それでも、送料無料のキャンペーンを開催すると購入率が高くなるという考え方はいくつかの通販サイトで証明されています。ケンコーコムが2008年に、セシールが2010年に行った送料無料キャンペーンがありますが、どちらのキャンペーンにおいても「効果があった」と2010年11月の『週間通販新聞』で紹介されています。
両社とも2017年においては一定金額以上の買い物や使用するクレジットカードに応じて送料無料になるなど、ユーザーに送料の心配をさせない工夫を続けています。
送料無料キャンペーンの仕組み
ネットショップが送料無料を実施している仕組みには大きくわけて2種類あります。1つは「送料が商品代金に含まれている場合」、もう1つは「運営者が送料を負担している場合」です。
前者はユーザーに原価がわかりづらい自社オリジナル製品を販売している会社が実施しやすい仕組みです。後者の場合は1件あたりにかかる経費を合計して、運営者が送料を負担しても赤字にならない金額(損益分岐点)を分析し、例えば「5,000円以上の購入で送料無料」というような設定をします。
どちらの場合でも配送料金は安いほどよいので、配送業者の選び方が重要になります。
送料をできるだけ安くするための配送業者の選び方
2017年4月、ヤマト運輸は大口顧客1000社に送料の値上げを要求しました。以前はネットショップ運営者の間では「大口顧客として契約したほうが1件あたりの送料が安くなる」というのは、稼いでいる運営者だけが知っているお得な情報でした。
現状では一部のネットショップ運営者が対象になっているだけですが、2017年4月以降はより多くの大口顧客を対象に配送料金の値上げが行われる可能性もあります。現時点での主要配送業者の料金比較などは別の記事でも紹介しました。
<関連>商品配送の梱包にはダンボールよりも紙袋が低コストでGood
ヤマト運輸がメディアに向けた発表では、すべての大口顧客ではなく、1,000社に対して値上げ要求をしたとされています。小規模なネットショップで大口顧客として契約している場合、あまり影響がない可能性もあります。2016年時点で日本の稼働しているネットショップの店舗数は約189万とされています。
<参考>国内のECサイト・ネットショップは一体何店舗稼動しているのか?/eccLab
現時点ではほとんどのネットショップが配送料金を安く契約している可能性が高いので、毎月100件や50件くらいしか配送しない場合でも、交渉してみる価値があります。近隣にある配送業者に連絡して、大口契約の相談や相見積もりなどしてもらうとよいでしょう。
送料を安くする工夫は梱包資材を紙袋にすること
送料を設定する際に含むべきコストに「梱包料金」があります。梱包資材の仕入れ費や梱包作業にかかる人件費が含まれています。配送料と梱包料を合計して、送料として計算することで、きちんと利益を計算できます。
梱包資材の種類はいくつかありますが、主に2つに分類できます。ダンボールによる梱包と紙袋による梱包です。ダンボールはサイズや規格が法律で定められているわけではないので、販売している会社ごとに仕様が変わる場合もあります。ダンボールについてはこちらの記事で紹介したので参考にしてみてください。
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ダンボール200円に対し、紙袋なら17円!
梱包資材にダンボールと紙袋のどちらを選ぶかは、商品をきちんと保護してくれるかどうか安全性を重視して選ぶ必要があります。ですが、どちらでも対応できる場合は紙袋を選ぶと配送コストが安く抑えられます。
たとえばダンボールは1つあたり約200円の購入費用がかかりますが、紙袋は1枚あたり50円ほど。紙袋の場合はまとめ売りをしている企業もあるため、大量購入すると20円以下に値段が下がるケースもあります。
配送コストは配送業者と梱包資材選びで安くなる!
ネットショップユーザーのほとんどが「送料無料は当たり前」と考える時代になり、ネットショップ運営者には辛い時期になりつつあります。ですが、配送業者と大口契約をしたり、梱包資材を紙袋にしたりすることで、1件あたりの配送コストを200円以上下げられます。
送料無料を実施できない場合でも、配送コストを削減してユーザーの送料負担を少なくすることは可能です。送料の心配が少ないほどユーザーの購買意欲も高くなりますから、配送費用を見直してみましょう。